意味深№7. いっそ俺のになっちゃえば 

はい、どうぞ。



夕飯を終えて、僚がリビングで新聞を広げていると。
いつものように香がコーヒーを運んで来た。
けれど、いつもと違うのは。
トレーの上の小皿、2つ。
シナモンの薫りが、ふわりと漂う。

アップルパイ。

ツノが立つ固さにホイップされた生クリームが添えられていて、
香のマグカップのコーヒーにも、同じモノが浮かんでいる。
こいつを泡立てていたから、いつもより時間が掛かったらしい。




「・・・なにこれ?今日って何かの日だっけ?」


僚も僚で、別にスルーすれば良いのだろうケド、思わずデザートのワケを訊ねる。



「別に、何の日でも無いケド。ミックが持って来てくれたの♪」


何の他意も無い香の無邪気な笑顔に、僚は無性にムカつく。
そのままアップルパイには手を付けず、濃いブラックコーヒーを啜る。
新聞を読んでいるフリの僚に、構わず香は昼間のミックとの遣り取りを報告する。


先週、取材旅行でアイツが九州に出掛けていた事。
九州名物だとかいう、柚子胡椒と高菜漬けを持って来て。
ついでに今日のこの、アップルパイは。
出版社の帰りにたまたま立ち寄った、人気の洋菓子店のモノらしい。
ミックから聞いたという温泉やら、郷土料理やら、観光スポットやらの話しが。
途切れる事無く連綿と、香の口から紡がれる。
生まれてこの方、東京暮らしの香にとって。
その土産話しが至極、魅力的かつ楽しかっただろう事は否めない。
しかし。
僚は面白くない。
そもそも、


いい歳をしたオッサンが。
女子に人気の洋菓子店で、
たまたまスイーツを購入する用事って何だよと、僚は眉間に皺を寄せる。


一連の香のこの報告。
百歩譲って、まぁ柚子胡椒と高菜漬けは良しとしよう。
今日の晩ご飯のメニューの1つ、
小松菜のお浸しは柚子の風味とピリッとした辛みが効いていた。
まぁ、あれは旨かったし。と、僚は思い返す。
だから、問題は。
アップルパイである。


どうやら香は、ミックの一連の行動に於ける下心というモノを、一切理解していない。
九州土産を渡すのに、どうしてスイーツ持参で僚の留守を狙ってやって来る必要があるのか。
僚には解ってしまうのだ。
ある意味では同類のあの男が、ちまちまと香に貢いで点数を稼いでいる心情が。
そこの所を、どう考えているのか。
僚は香に徹底的に問い質してみたい気もするが、
何でそんな事を問いたいのか、という問題に論点がずれると非常に厄介なので、
仕方無くコーヒーと共に、苛立ちを飲み込む。





「・・・ょお?・・ねぇ、りょお???聞いてる?」



僚がふと我に返ると、楽し気な香がニコニコしながら顔を覗き込んでいる。
香は僚の気も知らず、いつだって脳天気で。無邪気で、無防備だ。
途端に僚の腹の底に、真っ黒でドロドロとした得体の知れない感情が渦巻き始める。





ッチ、・・・っるせぇんだよ。

え?何?りょお、どうしたの???




キョトンと首を傾げる香に、僚がニヤリと口端を持ち上げる。
香はその事には気付かずに、ただ何やら僚が怒っているらしいという事だけは察知した。
一体、何が気に入らないんだろう?
コーヒーが苦すぎたかも、とか。
新聞読んでる時に煩かったかな、とか。
香は咄嗟に色々と思い巡らすが、全て悉く見当外れだった。






お前さぁ、あのバカ天使にチヤホヤされた位で、浮かれてんじゃねぇぞ。

はぁ??どういう意味?

あのバカはな、生物学上女なら誰でもイイの。甘いモン貰ったぐらいで、デレデレすんなよ。

・・・・。

大体、男に免疫の無い奴ぁ、上手い事おだてられて騙されるんだよ、油断してると。








僚の言葉に香は黙り込んで、俯く。
僚は時々、とても意地悪で。
こういう時、いつも香は沢山言い返したい事があるのに、ひとつも言葉にならない。
喉の奥が強張って、カッと熱くなる。
鼻の奥にツンと、涙が沁みる。
気を緩めたら悔しくて泣いてしまいそうだから、唇を噛み締めて我慢する。
僚はもう既に言葉を投げ掛けながら、香を傷付けた事を後悔しているけれど、
なかなか中断できずに、香を追い込む。




・・・僚はっっ



香が強気に僚を見据えたけれど、それはホンの一瞬の事で。
次の瞬間、今にも泣きそうな表情でとても頼りない小さな声で、言葉を繋ぐ。



どうして・・そんな意地・・悪ばっか・・・







香を傷付けながら、僚の胸にも痛みが走る。
自分の手で泣かせて、それでいて思い切り甘やかしたくなる。
まるで猛獣が自分より小さな生き物を、甚振るように。
華奢な手首をきつく握って、ソファに浅く腰掛けた香を、強く背凭れに押し付ける。
強引に唇を奪う。
他の男と楽し気に喋った唇。
他の男の話しをする唇。
他の男を誘惑する唇。
それは全部、俺のモノだと思い知らせる。


僚の胸板の下で、香が抵抗する。
理不尽な意地悪の末の、理不尽なキスに僚の舌先が侵入する事を頑なに拒む。


けれど。
こんな時でも、僚の手は優しくて。
強引な口付をしながら、香の頬や癖毛を愛おしげに弄ぶ。
徐々に、香の躰から力が抜ける。
香の頬に、先程から堪えていた涙が一筋伝う。


僚は、解っているのだ。
どんなに口付ても、どんなに抱き合っても。
どんなに好きで好きでどうしようもなくても。
誰にも誰かを縛る事など、出来はしないと。
頭ではきっと理解していても、薄い皮膚を1枚隔てて別の人間だと思い知らされる度に。
もっともっともっともっともっと、
際限無く求めてしまう。

いつも気が付くと、香の事をきつく抱き締めてしまうのだ。
そしていつの間にか、香も僚を抱き締め返す。
今ではもう舌を絡め合って求め合う唇を、ゆっくりと離す。
香の明るい茶色の瞳に、僚が映る。
別々の混ざり合えない者同士。
だからこそ、惹かれ合う。
何度も確認してしまう。
俺はお前のもので、お前は俺のもの。
香のコメカミに鼻面を埋めて、僚が呟く。





・・・カオリン、これってさ。意地悪じゃ無くて、嫉妬っていうの。















ちょっと、強引なチウを目指してみました。
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意味深№8. もしかして、口説いてるの?

大体、僚はずるいと思う。







香は午後のまだ日が高い時間に、浴室のタイルを磨きながら考える。
水回りの掃除は日頃から、特に念入りにやっているので、
冴羽家の浴室は、タイルの目地まで真っ白だ。
水回りが汚れていると運気が下がると、香に教えてくれたのは兄の秀幸だ。
何の根拠も無いけれど、香はその兄の言葉を頑なに信じている。
だから、もしかしたら。
こんな世界に身を置きながら、自分も僚もいつも平穏無事でいられるのは。
その効果かもしれないと、香は密かに思っている。


蛇口の周りは、定期的に水垢取り用の洗剤を使う。
蛇口やシャワーホースの周りの金具に塗布して、その間にタイルを磨く。
暫くして水を掛ければ、くすんでいた金具は一気にピカピカと輝きを取り戻す。
多分、僚はそんな細部にまで気が付く事は無いだろうから。
だから、香が日常の炊事掃除洗濯に潔癖なまでに、手を抜かないのは。
それはただ単なる、香の自己満足だ。
家事はやったらやっただけ、成果が目に見える。
香は基本的にそういう解り易い事が、大好きだ。


香の苦手な事は。


突然予告も無しに、僚に押し倒されたり。
一応自分なりに、一日の予定というモノがあるにも拘らず、僚に寝室に連行されたり。
僚がわざとらしく、香に恥ずかしい言葉を言ったり、言わせたり。
そう言った類の事柄だ。
この前だって。




香が何の気なしに、ミックから聞いた色んな話しをしていただけで、
僚は超不機嫌になったと思ったら、
次の瞬間には、ソファに香を押し付けて強引にキスをしてきた。










勿論、香は僚の事が大好きなのには間違いは無いケド。
だから、キスもエッチも勿論、嫌なワケじゃ全然無いケド。
でも。
TPOというモノはあるんじゃないかと思うワケで。
それを幾ら僚に説明をしたところで、僚はいつだってウンウンと頷きながら軽くスルーする。



“うん、そぉだね。じゃあ、そこん所ベッドの上で、じぃっくり話し合おうか。”とか。

“カオリンッッ、今はそれ以上に重要な件があるんだっっ!!相棒として。”  とか。

“ダメだ・・・香。早急に、やらなきゃいけない事があるんだッッ(ベッドの中で)”とか。


最終的に、香はいつも散々啼かされて、翻弄されて、クタクタになってハタと気が付くのだ。
今日もまた、僚の術中に嵌ったと。
僚はずるい。
僚は香が僚の事を大好きだって解っていて、絶対に断れないような状況に追い込んで仕掛けてくる。
香はいつだって、心の中で。
またやられたぁ~~~、と思いながらも僚を許してしまう。
好きだから。
それでも。





「なんか、納得いかない。」




香の独り言は、思いの外浴室内に大きく響く。
いつだって。
ドキドキして仕方のないのは、香の方で。
僚はいつも、余裕綽綽で香を翻弄する。
香は泡だらけのスポンジを握り締めて、
どうしたらいつも香が味わっている感情を、僚に思い知らせる事が出来るだろうと思いを巡らす。
偶には僚を焦らせたり、困惑させたり、困らせてみたい。
香はニヤリと、口元を緩める。


(・・・仕返ししてやろうじゃないの、目には目をよ!!)














香がお風呂掃除を終えて、リビングへ戻ると、
さっきまではナンパに出掛けて不在だった僚が、帰っていた。
だからと言って、何をするでも無く。
ゴロゴロして愛読書を読んでいる。




あら帰ってたの、おかえり。





そう言って登場した相棒は、
超短いデニムのショートパンツに、ライムグリーンのパイル地のホルタ―ネックを着ている。
布地の面積は非常に小さい、真夏日仕様だ。
まだ梅雨も明けきらない初夏だというのに、太陽よりも眩しいのはパートナーだと、僚は思う。
昨夜も、今朝の明け方も、2人は仲良く盛り上がった。
それでも僚はまた、イチャイチャしたいなーなどと考えている。
まるで、腹ペコの狼である。






目の前の相方が、自分の事をどんな風に見ているのか。
その点に於いて最も疎いのが、槇村香の槇村香たる所以だ。




まさか僚が。
己の真夏日仕様を目の当たりにして、
ムラムラと下心を再燃させているなどとは微塵も疑う事無く、
香は香で、先程の浴室での企みを思い返す。
自分が日頃、散々不意打ちのセクハラを受けているそのままを、
僚にやり返してやろうというモノだ。


題して、『カオリンの目には目を歯には歯を攻撃』である。






とても世界一の呼び声高い凄腕スイーパーとは思えないような、
ボッサリとした目の前の相方に、香はニヤリとほくそ笑む。
次の瞬間。
ソファの上に胡坐をかいて香の方を向いている僚に、香が突進する。
僚が呆けている隙に、軽く触れるだけのキスをして、すぐにまた離れる。





「えへへ、いっつも僚にやられっぱなしだから、仕返しだよぉだっっ」



香はそう言って悪戯っぽい笑顔を残すと、クルリと踵を返してキッチンへと逃げ込んだ。
初めは不意を突かれて呆けていた僚も、すぐにニヤリと笑う。
この時の僚が、香とは比較にはならない程の企み笑顔を浮かべていた事など、香は知る由も無い。
香はまんまと、導火線に火を点けたのだ。
こんな美味しいお誘いに、冴羽僚が乗らないワケは決して無いのだ。



(・・・嗚呼、カオリン。それって、もしかしたらオレの事、口説いてる???)



僚は軽やかに香の後を追う。
キッチンの手前で、小鹿のようなしなやかな獲物を捕獲する。
その喉元に喰らい付き、真っ赤な印を残す。
キャイキャイと抵抗する躰を軽々と抱き上げて、ベッドへ運ぶ。
いつものペースで事を運ぶ。



翻弄する。
堪能する。
染め上げる。
突き動かす。
駆け上がる。
解き放つ。
















・・・やっぱり、納得いかない。




グッタリと俯せて枕に顔を埋めた相棒が、くぐもった声で呟く。
僚は喉の奥で小さく、ククッと笑う。
香はそもそも、解っていない。
この件に関して。
『仕返し』は僚にとっては、仕返しには成り得ない。
それはただ単に、2人のイチャイチャタイムへの素敵なお誘いに過ぎないのだ。




「・・・おまぁ、やっぱ。最強の相棒だわ。」





僚はそう言って笑いながら、
西日の差し込む寝室のベッドの上で、香のシミ1つない真っ白な背中に口付けを落とす。














カオリン、玉砕。

お題72. 増え続けるもの

年齢は、多分。70代後半か、80代位かな・・・




香の目の前を、のんびりとした歩調で仲良さ気な老夫婦が歩いている。
他人の年齢を推し量るのは、難しい。
それが特に、“お年寄り”と呼ばれる方々なら尚の事。
香には、75歳と83歳の違いは判らない。
これが僚なら、何故だか他人の年齢をピタリと言い当てるという特殊技能を持ち合わせている。
もっとも、アイツは。
年齢だけでなく、スリーサイズから身長、体重、足のサイズに至るまで言い当てるんだけど。


少しだけ曲がった腰、ゆっくりとした歩調、恐らくはご夫婦で。
何十年と連れ添って来た空気が、2人を包んでいる。


伝言板を見に行った帰りに、香は公園に立ち寄った。
香が家を出て来た時には、僚はまだベッドの中で眠っていた。
キッチンには、僚のブランチを用意して来た。
つい5日ほど前に、依頼を1つ解決したばかりなので、この数日香は僚に甘い。
前を行く人生の先輩につられるように、香の足取りものんびりになってしまう。
僚の事を考えると、つい頬が緩んでしまう。
僚とは連れ添ってまだ、ホンの数年で。
あの肌の滑らかさや、掌の熱や、唇の柔らかさを知ったのはつい最近の事だ。
それでも、目を瞑ると指の腹に僚の形を思う事が出来る。
滑らかな肌の上を走る、小さく盛り上がった傷痕。
僚の体中に残る、僚が僚であるという愛しい印。
香はいつも僚に翻弄されながら、目を瞑ってあらゆる全ての感覚を総動員して僚を感知する。
だから香の指先は、無意識に僚の形を覚えている。
その記憶が呼び水となり、僚の視線の熱さや、小さく漏れた吐息まで思い出す。
午前中の麗らかな、都会の公園で。



ホンのささやかな段差で、旦那さんが奥さんの手を取る。



香はそれを、イイなと思う。
お互いを労わり合って、生きているから。
香の心の中には、沢山の僚との歴史がある。
細かい事は、日々の生活の中に溶け込んで、いつの間にか消えてゆくように思えるケド。
それはきっと、柔らかな地層のように香の心にゆっくりと降り積もってゆく。
偶には、ケンカをして腹を立てても。
そんな時に、ふと忘れていたような些細な事を思い出す。
僚がこれまでに優しくしてくれた事や、僚の言葉の裏に隠された本当の気持ちとか。
そしたら香は自然と、大抵の事は許してしまう。
僚が好きなのだ。
香が見えない段差につまずきそうになると、僚はいつだって手を取ってくれた。
それは少しだけ、天邪鬼で。
人には解り難い僚なりのやり方だけど、香にはちゃんと伝わっている。
それだけで充分だし、香と僚の2人が解っていればそれでイイと思うのだ。



僚は多分、これからも香の手を取って歩いてくれると思う。



そう確信できることが、こんなにも自分を勇気づけ、奮い立たせてくれて、
幸せをもたらしてくれる事に、香は涙が出そうになる。
梅雨の中休みの、6月の青空の下の。
青紫色の紫陽花を、ボンヤリと眺める。
都会の猥雑な空気の中でも、季節は確実に巡る。
時間は淀みなく流れる。
2人とも確実に、今日よりも明日、明日よりも明後日と歳を重ねてゆく。
現にこの紫陽花のすぐ傍の桜が、見事に咲き誇っていた時には。
僚と2人、手を繋いで歩いた筈だ。
あの時より確実に、香も僚も2ヶ月近く歳を重ねた。
香の心の中の地層にも、昨日の僚や一昨日の僚が幾重にも積み重なって増え続けてゆく。


それはどんなお伽噺より、現実的で甘やかなファンタジーだ。



依頼が無いと嘆きながら、2人でテレビゲームをしたり。
ツケを増やすなとどやしながら、2人で冴羽商事のビラを配ったり。
ケンカをして、
仲直りのキスをしたり。
時々、臆面も無く甘い言葉を囁いたり。
ベッドの上で、セックスをしながら冗談を言い合ったり。






・・・あ。りょお、おはよう。




公園の中をゆっくりと散策する香の目の前に、つい今まで頭の中に居た当人が現れる。
チノパンに白いTシャツを着て、淡い黄色のコットンシャツを羽織った、香の連れ合い。







ご飯、食べた?

うん。コーヒーが足りない。

キャッツ行く?

・・・いや、帰って淹れて?

・・・りょーかい。





僚は香の隣に並ぶと、ごく自然な動作で香の手を取った。
僚の掌は、いつも乾いていて、大きくてとても熱い。
香はイイなと思う。
僚に守られているという安心で温かな気持ちになれる。
それと同時に、守ってあげたいという気持ちになれる。
今までの人生で、悲しい事ばかり見て来たこの愛しい人に、楽しいモノだけ見せてあげたい。




りょお。

ん?

・・・何でも無い。





いつまでもこうして隣を歩いて行けたらと、香は繋いだ手を握り締めた。












久々に、100のお題の方をやってみました。
珍しく、カオリン視点だし。
[ 2013/06/08 02:30 ] なんとなく100のお題 | TB(0) | CM(0)

世界にひとつだけの・・・(NotForSale)

皆さま、おはこんばんちわ。

魂のカオリスト、ケシでございます。
梅雨真っ只中、皆様方に於かれましては如何お過ごしでございましょうか?
ワタクシは、日々妄想に憑りつかれながら現実と妄想の狭間を行き交う明け暮れでございます。



ところで皆さま、
子供の頃、夢中になって遊んだ記憶って誰しもありますよね?
ワタシクも勿論ございます。
今でこそ、こんな妄想全開中年になってしまいましたが。
ワタクシにも、純粋な子供時代はあったのでございますっっ。

折り紙?お絵描き?鬼ごっこ?

人それぞれ、好きな遊びがあったと思います。
実は、ワタクシ。
インドア派というのは、昔から変わっておりませんで。
ワタクシの大好きな遊びに、“着せ替えごっこ”というものがございました。
しかしながら。
リカちゃん人形や、バービー人形などそんな高級なモノではござんせん。
厚紙のお人形に、紙で出来たお洋服を着せるのです。
女子の皆さまなら、一度は経験があるのでは無いでしょうか・・・


そして。
ワタクシには、1つの野望があったのです。


RKで、着せ替え遊びがやりたい。


・・・この度、その夢がある御方の全面的バックアップも得て実現する運びと相成りました。
この先は、かなり変質的RK愛に塗れております故、
ご理解戴ける方のみ、先へお進み下さいませ。(脱力必至)


それでわ、心して。ポチッとな。




[ 2013/06/08 22:16 ] クローゼット | TB(0) | CM(0)

あの名場面が、今蘇る。

キスする時は、目を瞑るもんだぜ。
[ 2013/06/09 00:46 ] クローゼット | TB(0) | CM(0)

更なる、名場面が再び甦る。

おれは何がなんでも愛する者のために生きのびるし
何がなんでも愛する者を守りぬく!!
              …言わなかったかな?


い・・・言わなかったじゃない

あら・・・わるい・・・
[ 2013/06/09 01:34 ] クローゼット | TB(0) | CM(0)

色んなシチュエーションプレイが楽しめます(*´∀`*)

こんちわ。


怒涛の着せ替え更新を行っております。ケシでございますっっ

この度、ワタクシの長年の夢を叶えるべく

あの『Live an easy life』のnase様、全面協力の元、

なんだか不可思議な事になりつつある当ブログですが。

背景を色々と吟味し、日常の一コマを演出してみました。

尚、この後。

nase様のサイト内に於きまして、このお宝着せ替えパーツの全容をお見せ致します。

あくまで、個人でお楽しみ戴く為にお見せ致しますので、

転載・流用・悪用など、為さりませぬようお願い申し上げます m(_ _)m



それでわ、冴羽商事の日常の一コマを、とくとお楽しみくださいませ~~~

[ 2013/06/09 14:52 ] クローゼット | TB(0) | CM(0)

梅雨をぶっ飛ばせっっ

おはこんばちわ


ケシでございます。

流石に昨日の記事は、ワタクシ共の(naseさんも、共犯なのだ・笑)妄想がゆき過ぎまして、

少々、過激な感じになりまして(汗)誠にかたじけないです(´∀`;)ゞ

しかしながら。

パス付の記事にする気も、お詫びして訂正する気も、毛頭無いのがワタクシです(テヘ)

実はですね、あの裸体の2人はちゃんと裸体の理由があるのでっすっっ(力説)

本来、何もエロい意味は無いのですょ(本当か・・・)

下着が見えちゃうとマズイ場合とか・・・

いやでも昨日は、ある意味下着よりもマズイものを晒しちゃったんですが(苦笑)

それでわ、本日は正しい使用例をば。





[ 2013/06/10 22:00 ] クローゼット | TB(0) | CM(0)

よくある家族の作り方

30000Hits Req. Vol.6  ケシmeetsもりゅ 



リクエスト企画第6弾は、もりゅ様からのリクエストです(*´∀`*)ノ
『よくある恋の見つけ方』の冴羽課長と、槇村君のその後。近い将来のお話しです。
お時間のある方は、初めから読んでみるのもイイかもですよォ~~~~♪























「綺麗よ、香さん。良く似合ってるわ。」



鏡越しに美樹が、ニッコリと笑う。
こんな真っ白なドレスを着たのは、生れて初めての事で。
香は必要以上に、緊張した。
鏡に映った自分は、いつもより手の込んだメイクを施され、
いつもは短く切り整えられた指先を、白を基調にしてストーンを散りばめたネイルが飾っている。
癖毛のショートヘアはふんわりとカールされて、レースのヴェールを被っている。


香も一応、それなりに。
自分がウェディングドレスを着る所を、どんな風になるんだろうと夢見ていた。


小学校に上がる前は、無邪気にお兄ちゃんのお嫁さんになりたかった。
思春期になって、兄とは血の繋がりが無いと知って。
香は苦しんだ。
お兄ちゃんとは結婚出来ないんだと知って、諦めて。
それなのに本当は兄妹じゃないと解っても、やっぱり自分の気持ちはいけない事なんだと諦めた。
いつかは、誰かを好きになって。
兄と腕を組んでバージンロードを歩くんだろうと思っていた。
でも。
それすら叶わぬ夢となってしまった香には、1年前の今頃にこんな未来は想像していなかった。







3月の終わりの、香の誕生日に結婚しようと言ったのは僚だった。




僚と初めて逢ったのは、ちょうど一年近く前の春の終わりだった。
年季の入った狭いエレベーターの中で、尋常じゃ無いほど酒臭い僚と乗り合わせて、
香は窒息寸前だった。
あの時香は内心、この人と同じ職場だったらどうしよう、と焦っていた。
その相手と、一年後。
こうして愛し合っているという運命に、思わず笑みが零れる。



僚は香にとって、この世界で唯一の香のヒーローで、
二日酔いでサンダル履きの、白馬に乗った王子様だった。












クリスマスをまったりと過ごし、年末の休暇に入った2人は。
僚の部屋で年越しを迎えた。
厳密に言えば、僚のベッドの中で抱き合っていた。
その数日前の、クリスマス。
僚は香に、美しいダイヤのあしらわれたプラチナのリングを贈った。
華奢な香の左手の薬指に、あの日僚が嵌めてから今朝まで一度も外さなかったそれを。
今朝は、鏡台の抽斗の中の、赤いベルベット張りの小さな箱の中に仕舞って来た。
今日からこの同じ指に。
何の飾りも無い、シンプルなプラチナの僚と揃いのリングを嵌める。






正月、僚に連れられて成田に出迎えに行った。
初めて逢う筈の、僚の父親を。



しかし、彼の香に出逢った第一声は。


『やぁ、香。久し振りだね、大きくなったね。』


というモノだった。
そこでまず第一のパニックは訪れた。
その後、数日に亘って3人で休暇を過ごしながら。
香は自分でも知らない自分の過去を、恋人の父親に聞かされた。
香の父親の事、父親同士(何と、勤め先の社長も!!)の絆の事。
僚の境遇と自分の境遇の、意外な共通点。
そして、あの時に出逢えた偶然を想うと。
もしかすると、運命ってあるのかもしれないと香は考えた。
僚も自分もあの時はまだ、何も知らなかった筈だから。



彼は僚が言っていた通り、それから半月ほど日本に滞在した。



それからの2人の変化は、まるで小さな嵐のようだった。
何故だか僚の父は、2人の結婚を前提にどんどんと話しを進めて行った。
一月の終わりには、香は僚のビルに越して来て、結婚を前提とした同棲生活が始まった。
バレンタインデイに、僚が正式にもう一度プロポーズをしてくれた。




3月の香の生まれた日に、家族になろうと。



香がこの世に生まれて来た事を、神様に感謝しているからと。
生れてすぐに交通事故で両親を失った女の子と、
2歳の時に飛行機事故で両親を失った男の子が、漸く自分たちの家族を作る。
香は迷わずOKした。









どうやら僚は、途轍もない事業家の跡取りであるらしいと。
僚と付き合うようになって、香は初めて知った。
僚を引き取って育てた、本当は叔父でもある父親は。
帰る間際の空港で、香にそっと耳打ちした。
香を自分の娘だと思っていると。
だから。
何にも心配せずに、嫁に来てやってくれないかと。



父親が死んだ時、香は幼くて、悲しいという事で精一杯で、周りを見る余裕など無かった。
葬式の席で、そんな香を心配していたという彼は、
これから先、香の父に代わって香の義父になりたいのだそうだ。


『なんなら、先に孫を作っても構わないよ?』


そんな言葉を残して、彼は搭乗ゲートへと吸い込まれるように消えた。










結婚と聞いて、迷いなど無かった香だけれど、少しだけ不安になった。


香の身内は、父も兄ももう既に他界している。
近しい付き合いのある親戚も、全くいない。
友達付き合いも、この数年、色々と傷付く事があって女友達は美樹とかずえ以外いない。
片や、僚の家は。
さぞかし華やかな付き合いをしなければいけないのではないかと思うと、香は不安だった。

けれども僚の提案は、意外だった。





数年前に、伊集院夫妻が挙式したという、奥多摩にある古めかしい教会を僚は押さえて来た。
そこで。
友人だけで、こじんまりと式を挙げようというモノだ。
不思議な事にそんな計画に、義父である海原神も快諾したらしい。
そんなワケで、あれよあれよと言う間に話しは進み。
それでも2人は相変わらず、イチャイチャと仲睦まじく生活し、
会社では香は僚を“課長”と呼んだ。


2人で食卓を囲み、時々一緒に風呂に入って、週に5日はセックスをし、毎日沢山キスをした。








そろそろよ?





そう言って、かずえが控室に声を掛ける。
因みに、ミックとかずえも。
2ヵ月後の6月には、式を挙げる。
僚の真似をして大人になってきたミックは、やっぱり。
僚に倣って、かずえと落ち着いた交際をしてみて、自分には彼女しかいないと悟ったらしい。
これで、翻訳課の奇人変人たちは全員、晴れて既婚者となる。
伊集院夫妻が常々提唱してきた、結婚は、一生続く恋愛。というスローガンは、
編集部別室・翻訳課の合言葉になった。













少しだけ光沢のある、真珠色のドレスがふわりと現れる。
今初めて見る美しい恋人は、これからの1時間ほどのセレモニーを終えた頃には、
妻になる。


愛を誓う。

キスをして、指輪を交わす。

病める時も健やかなる時も、雨の日も晴れの日も。



2人は多分、屋上で星を見て、公園を散歩する。
同じ苗字になって、一緒に会社に通い。
週末には、時間をかけて愛し合う。
友人たちと、BBQをして花火を見上げる。





香が夢見たのは、そんな普通のありふれた結婚。
















この時の2人はまだ。
数か月後、アメリカの僚の実家で、
ド派手なお披露目パーティーが、大々的に企画されている事など知る由も無い。



今はまだ、湖畔の静かな教会で嵐の前の静けさ。













もりゅ様のリクエスト、冴羽課長と槇村さんの結婚式。
もりゅ様は他の人とリクエストが被るのを気にしてらっしゃいましたが、
幸い、皆様一人も重なる事なく、それぞれ独創的なリクエストを戴きましたぁ(о´∀`о)

こんな感じですが、如何でしょうか???もりゅ様っっ
これからも、お話しは勿論の事、お絵描きとか着せ替えとかますます脱線気味の当ブログですが。
更新続けて参りますので、どうぞ遊びに来てやって下さいまし~~~
ありがとうございまぁ~~~っす!

① 新人さん

香+伊集院




そこは都内某所、とあるスポーツジムである。
何の変哲も無い、至って普通の、高級でも無い、主に近所の住人が通うジムだ。


1階は、カフェになっている。
経営は、そのジムと同一で。
店内は、運動帰りの主婦やOLたちで連日賑わっている。

受け付けは2階にあり、2階のフロアは更衣室や、
シャワールームや、サウナスペースになっている。

2階の3分の2のスペースはプールになっていて、更衣室を経て、
シャワールームの奥へ進むと、そのままプールへと出られるようになっている。
都会の街中に有りながら、上手い事配置された窓によってプールの中はいつも明るい。

プールのレーンから見上げると、3階のガラス張りのマシンジムが良く見える。
プールの天井は高く造られており、3階部分と同じ高さの天井には、採光の為の天窓がある。
3階のジムには、奥からウェイトトレーニングのコーナー、
その手前に、ランニングマシーンとエアロバイク、
幾つかの個室に仕切られた教室では、それぞれ時間ごとに講師が変わってレッスンが行われる。
定番のエアロビクスに、ヨガ、中高年の奥様方に意外に人気なのはフラダンスである。






伊集院隼人はその日、大荷物を抱えていた。
伊集院はココで主にウェイトトレーニングのアドバイスをしながら、
希望者には、個人トレーナーとしてアドバイスなどもする。
その迫力の体躯は、ゆうに2mを超えており。
一分の緩みも無い筋肉は、アドバイスの説得力を増している。
他人の数倍は筋肉量のある彼の体脂肪率は、8%である。




たまたま備品の入った段ボールを3つ重ねて運んでいる時だった。
伊集院の乗り込まんとするエレベータホールに、スラリとした長身美女が佇んでいた。
伊集院は、その並外れた腕力を当てにされ、時折こうして荷物持ちを仰せつかる。
どうやら、彼女も上階(うえ)へ行くらしく、両手の塞がった伊集院は非常に助かった。
するすると降りて来たエレベーターに、伊集院と、長身美女が乗り込んだ。
荷物の多い伊集院は、奥へと進む。





何階ですか?




彼女がニッコリと首を傾げて言った言葉を理解するまでに、伊集院は0.7秒ほど掛かった。








・・・あ、2階の受付に。申し訳ありません。


いえ。





そう言って、ニッコリ笑う彼女は非常に引き締まった体つきで、
筋肉の付き方も均整がとれている。
咄嗟にそんな事を目測する伊集院のこの癖は、一種の職業病のようなモノである。
伊集院が考えている事など、知る由も無い彼女はクルリと伊集院を振り返り、
段ボール3つの内の一番上の1つを、さっと抱えた。
伊集院隼人のサングラスの奥では、つぶらな瞳がまん丸に見開かれる。
その華奢でしなやかな長身美女は、クスッと微笑む。






あぁぁ、あの。会員さんに、荷物など・・持たせたら問題になりますので・・・




伊集院隼人は、いい歳をして、見た目に似合わず純情である。
しどろもどろになりながら、恐縮する。
そんな彼に一向に構わず、彼女はにっこりと人懐こい笑みを浮かべる。
年の頃、22~23といったところか。




それなら、大丈夫なんですっっ!!



そう言った彼女に、
『いや、あなたが良くても、自分がまずいんです。』
と、伊集院が返事をしようとした矢先、エレベーターは2階・フロントへと到着した。
彼女は、段ボールを抱えたままスタスタと、伊集院の前を歩いた。





これ、どこまで運ぶんですか?


あ、あぁ。じゃあその扉の前まで。




伊集院が指し示した扉には、『staff only』の文字。
箱の中身は、フラダンス教室のおばさま方が、
来月の発表会で身に着ける為に揃いで誂えた、南国ムード満点のムームーだ。




申し訳ありません、手伝って戴いて。



そう言った伊集院に、彼女は。
ぺこりとお辞儀をして、意外な言葉を繰り出した。







こちらこそ、今日からココのスイミングコーチとしてお世話になります、槇村香と申します。





















僚+会員№3042 名取さん




「さぁえばっせんせっっ




午後の中級者クラスのレッスンを終えて、プールサイドでシャワーを浴びていると。
背後から、声を掛けられた。
つい先ほど、クロールのフォームの指導をしていた、会員の名取さんである。




そもそも、僚の受け持ちは。
夕方から夜にかけての、主に中高生男子の育成クラスである。
しかしここ数週間、何故だか昼間の数時間も臨時で駆り出されている。
ド平日の真昼間にやって来るのは、暇を持て余した高齢者もしくは。
豊満な肢体に何故だか揃いも揃ってド派手な水着の、中高年の主婦層ばかりである。


そもそも、先月。
幼児クラスを担当していた20代後半の女性コーチが、デキ婚した事に遡る。
彼女が電撃退社しやがった皺寄せで。
少しづつ、各々が今までの自分の担当以外を受け持つ事になったのだ。
という訳で、僚は今。
豊満マダム達に、モテモテだ。


シャワーの温水を滴らせながら僚が振り向くと、満面の笑みを湛えたマダムが立っていた。
彼女たちの化粧は、塩素混じりのぬるま湯にも動じることなく威力を発揮するらしい。




あ、お疲れ様です。名取さん。




僚は、これから夕方6:00までレッスンは無いので、
そのままシャンプーを掌にとって、お喋りしながら泡立ててゆく。







ねぇねぇ、冴羽先生って確か独身よね???


・・・ええ、まぁ。一応。


だれか、決まった相手はいるの?






何故だか名取さんは、興味津津といった体で目をキラッキラ輝かせながら詰め寄る。
噂に聞いたところによれば彼女は、お見合いをセッティングするのが趣味らしい。







はぁ、別に今のところ予定は無いですけど・・・お見合いはしませんよ?(汗)


やぁねぇ、そんなんじゃないのよぉ~~~。今日は、別件


何すか?


実は、うちの下の娘なんだけどね、冴羽先生にどうかなぁ~?なんてっっ






僚は丁寧に頭皮を濯ぎながら、じとっと名取さんを見つめる。
どうやらお見合いでは無いかもしれないけれど、縁談には変わりないらしい。





幾つ?


え?


娘ちゃん。


あぁ、今年28歳。私の若い頃にそっくりで美人よ?


・・・・。





目の前の中級者クラスの名取さんは。
有名人に例えると誰に似ているかといわれても、思い当たる節は無い。
強いて例えれば・・・・



(・・・ワイン樽???)



私もこう見えて若い頃は、松坂慶子に似てるって評判だったのよ♪


・・・どこら辺で?


やぁだぁっっ冴羽先生ってばっっ





そんな名取さんに、バシバシしばかれる僚なのだが。
そのパンチの重みと言ったらない。
へヴィ級である。
僚は、バスタオルでごしごしと頭を拭きながら答える。






ねぇ、名取さん。


ん?なになに??


それならさぁ、俺よりイイやつがいますよ。


誰?


ミック・エンジェル。


・・・カタカナ????


そ、アメリカ人。ちなみに、3階利用した事ありますか?


それがねぇ、ああいう激しい運動はね。ほら、私、膝弱いから。


ミック先生は、イイ男ですよ。ブロンドにブルーアイズ、
娘婿になったらお孫ちゃん可愛いですよ、多分。


あら、素敵ね♪ミック先生は、何を担当してらっしゃるの?


エアロビクスと、ダイエット指導です。






冴羽僚はこれ以上ないほど極上の笑みを湛えて、幼馴染でもある悪友を売った。






(つづく)










パラレルです。
何から、ネタを思い付いたかは、
ここ数日のワタシの妄想をご覧になった方なら
お解りになるはず・・・・

② 初対面

僚+香



プールサイドでの名取さんとの会話を適当に切り上げ、
コーチ控え室横の更衣室で、白いポロシャツとジャージに着替える。
濡れた競泳用ビキニは脱ぎ捨てる。
僚はいつも、レッスンとレッスンの合間は面倒なので、ジャージの下はノーパンだ。
行きと帰りだけは一応、パンツは穿く。
もしも、通勤途中で交通事故に遭って死んだら、ノーパンだとシャレにならないからだ。







香は数時間前に初めてココの控室に通され、制服の白いポロシャツと紺色のジャージに着替えた。
勿論、その下は競技用のシンプルな水着だ。
先程、建物1階の、カフェの横を通り過ぎた奥にあるエレベーターホールで、
異様に大きなインストラクターと遭遇した。
制服を着ていたので、すぐにそうと判ったけれど。
きっとあの人なら、ポロシャツとジャージだとしても、特注だなと思った。





僚が人差し指に引っ掛けたspeedoの競泳用ビキニを、クルクルと回しながら控室に入ると。
ドアに背を向けて座る、見慣れない女性がいた。
同じ制服を着た華奢な背中、栗色の柔らかそうなショートヘア、座っていても判るスタイルの良さ。
白いポロシャツに薄っすらと透けて見える、競泳用水着のライン。
その後ろ姿を、僚は無遠慮にガン見しながら、
自分のデスクの後ろにブラ提げた、丸い洗濯物干し用ピンチに水着を干す。
先程、更衣室で脱いで軽く水洗いしたモノだ。
18:00からの育成コースのレッスンまでには、余裕で乾く。



「あ、冴羽先生、お疲れ様です。・・・紹介しますね。」

そう言ったのは、僚よりも2歳ほど年下の美樹である。
香と向かい合って、前任者からの仕事内容を引き継いでいる所だったが、
途中、遠慮の無い好奇心の視線をビシバシと感じて、確認すると。
それはやはり、冴羽僚だった。
僚は香が来てからの数時間は、レッスンが立て込んでおり、今漸く控室に戻って来たのだ。
美樹がそう言った直後、彼女は慌てて椅子から立ち上がると、僚の方へ振り返った。
真っ白な肌、
綺麗に通った鼻筋、
大きくて透き通った薄茶色の瞳、
立ち上がると、彼女は想像以上に長身で。
まるでモデルのような印象だ。


それでいて、まるで人懐こい犬のような笑顔。




ヨロシクお願い致します、槇村香でっす!!



美樹が紹介するより早く、香はそう言ってペコリと頭を下げた。
その瞬間、僚の表情がだらしなく緩む。
美樹だけが、その一部始終を無言で観察し、
いつもの展開に、小さく溜息を吐く。
美樹は、今日から新人が来ると聞いて、しかもそれが23歳のピチピチのギャルだと聞いて、
その上、やって来たこの目の前の香を見た時から、この冴羽僚のリアクションは想定していた。















ミック・エンジェル



ミック・エンジェルは、スポーツジムでインストラクターをやっている。
そもそも、運動神経はずば抜けて良いタイプだ。
その上、誰もが認める色男である。
そして何より、そんな自分の事を誰より客観的に、ミックは心得ている。
そして。
その実態は、色男の仮面を被ったモッコリスケベである。
幼馴染みで悪友の冴羽僚は、同じジムでスイミングの方のコーチをしている。
彼もまた、ミックに負けず劣らずの色男だが、ミックに勝るとも劣らないモッコリスケベだ。
早い話しが、類友である。


しかし。
ミックが1つだけ、僚にも負けないと思っている事がある。
それは、女性に対するストライクゾーンの広さである。
ミックは、可愛ければ相手が人妻だろうが、彼氏持ちだろうが頓着しない。
寝盗るのもお手の物だ。
もっとも、寝盗ったからと言って責任は持たない。
恋愛は、個々人の自由意思に基づくものだというのが、ミックの基本理念だ。
どちらか一方が責任を取るとか取らないとかいう問題では無いのだ。
他人はそれを、人でなしとか、ご都合主義とか言うけれど、ミックの知った事では無い。
その点僚は、他人の女には興味は無いらしい。
面倒臭いのは苦手らしい。
もっとも、1人の相手に固執しないという点に於いては、ミックの見解と相違は無い。



けれど、仕方が無いのだとミックは思う。


女達の方が、自分を放って置かないのだからと。
ミックの担当は、エアロビクスとダイエット指導だ。
エアロビのクラスの無い時間は、主にマシンの使い方指導や、個人トレーニングをしている。
一番多いのが、ダイエットの悩みを抱えた女性達の相談である。
物腰の柔らかいミックは、自然とそんな女性会員の担当を任されるのだ。
世の中の8割方の女性達は、
する必要の無いダイエットという幻想に憑りつかれている。と、ミックは思う。
その中でも、失恋の痛手を背負ってやって来る迷える子羊たちは、
簡単にミックの手中に陥落する。


綺麗になってアイツを見返したいのっっ、と数ケ月前に息巻いていた彼女たちは。
一回りスッキリした自分の姿を、まず1番にミック先生に見て貰いたいの、と言ってミックに迫る。
勿論、ミック・エンジェルは、据え膳は片っ端から平らげて、お替りまでする男なので。
基本、お断りはしない。



そして、今日。
ミックはある1つの情報を入手した。
どうやら、スイミングの方に超絶別嬪コーチが新加入したらしい。
情報元の筋肉の塊によれば、なかなか気立ての良さそうな子らしい。
何でも、彼女とエレベーターの中でなにやらあったらしいが。
伊集院はそれ以上の情報を、決して洩らさなかった。
ヤツ曰く。

暫くは、僚のヤツが浮かれまくるに違いない。

との事だ。
色恋沙汰に於ける、ミックと僚の様々なスタンスは微妙にズレている所もあるけれど。
こと、イイ女を見極める審美眼に関しては、ほぼ一致する。



(・・・ヤバイ、超楽しみなんだけどぉ~~~















僚+ミック




18:00


僚は後ろ髪を惹かれる思いで、控室を後にした。
18:00丁度にプールサイドに出てみると、もう既に育成クラスの連中は揃っていて、
準備運動がてらに、思い思い泳ぎ始めていた。
そもそも、このクラスにやって来る彼らは、みなそれぞれ学校も住まいもバラバラで。
半数以上は、幼児クラスの頃からこのジムで水泳を習ってきた者ばかりだ。
部活でも無ければ、強制でも無いので集合時間はあれど、キッチリやって来る者ばかりでは無い。
あくまでも優先順位は学業なので、学校が終わり次第ココに来るのだ。
中には、学校で水泳部にも属していて、部活後に更にやって来る強者もいる。



槇村香は、非常に素直で無邪気な子だった。


美樹の呆れている表情に気が付かないワケでも無かったけれど、まずは掴みが大切なのだ。
僚はまず、自分という人間を彼女の意識の端にでも、鮮明に留めていて貰えるように、
僚の持ち得る全ての力を注いで、ジョークを連発した。
美樹はいつもの事なので、まるっきりスルーだったが。
香は、全力で笑い転げてくれた。
僚の手応えとしては、まずまずだ。



僚がプールサイドに立つと、まるで調教師に呼ばれたイルカのように少年たちが集まって来る。
一通り、最初に全体としての練習メニューを言い渡す。
取敢えず、100mを20本、流すんじゃ無くてタイムをキッチリ計って全力で。
その後は、個人個人のレベルに合わせて2カ月後の大会に向けたトレーニングメニューをこなす事。
それだけ言うと、彼らは各レーンに散って泳ぎ始める。
僚はそれを見ながら、フォームの乱れを水の上から声を掛けて指摘する。



そんな感じで10分程経った頃、美樹に連れられて香が控室から出て来た。
早速、明日から幼児クラスを任されるらしい香に、美樹がプールサイドの奥。
主に、ちびっ子たちの使う用具(色とりどりのビート板やヘルパーなど)の置き場を確認したり、
幼児用のシャワールーム(大人用と違って、プールからすぐの場所に有って丸見えだ。)の説明をしたり、
2人は時折笑いながら、打ち解けた様子で何やら打ち合わせている。


少年たちは、多少放って置いても勝手に泳いでいる。
僚の視線は自然と無意識に、新しく入って来た可愛らしい後輩へと向かう。
それと同時に、激しく鋭い視線を斜め上から強烈に感じる。



僚がハッとして、その視線の先を捉える。
3階、ガラス張りになった向こう側のエアロバイクの陰から、怪しげなブロンドの男が覗いている。
ミック・エンジェルである。
勿論、視線の先は槇村香。
僚は思わず、小さく舌打ちを漏らす。
そういえば、あの男があんな美女を見て。
そっとして置くはずなど無いのだ。





怨念の籠った僚の視線に、ミックも気付かないワケは無い。



プールとマシンジム、ガラスを挟んで上と下で激しく睨み合う。
ミックの蒼い瞳には蒼白い焔がメラメラと燃えており、
僚は禍々しいオーラを放って射るような視線を、ミックに向かって真っすぐに向けている。
他人には解らないであろうが、
この時の2人の間には、確実に激しい火花が散っていた。


モッコリスケベの世界には、言葉など要らぬのだ。



(リョウ、この勝負容赦はしないぞ。)

(ケッッ、変態金髪野郎がっっ。テメェなんかに、掻っ攫われて堪るかっつーのっっ)





彼ら2人以外、至極どうでもイイ勝負の火蓋が、今切って落とされた。




(つづく)







カオリンが、モッコリスケベ2名に
ロック・オンされちゃいました(合掌)

③ 片思い

冴羽 僚




僚は今、人生初の片思いに身を焦がしている。


1か月半程前、僚の職場に超絶カワイイ後輩がやって来た。
年齢差は、ちょうど10歳。
少しボーイッシュで元気いっぱいの彼女は、それでも無自覚で極上の良い女で。
僚は面白くて、気のおけない先輩のフリをして、日々その距離を詰めている。
これまで僚は、思春期の時ですら色恋沙汰で悩んだ事など無かった。
良いなと思った相手とは、自然と付き合って来たし、それ程執着した相手も居なかった。
これまでの女達は僚が思わせぶりな言葉を掛ければ、物欲しげな視線で応えてくれた。
色恋とは関係の無い他愛ない会話の流れで、落とし処を読み取る事など容易く出来た。
だから、自然には距離の縮まらない相手を、どうやれば色恋へと誘導できるのか。
僚はこの歳になって、初めて解らなくなった。



土曜日には、僚の受け持ちの育成クラスは、午後の早い時間から始まる。
中高生男子が主なので平日は夕方から始まるけれど、休みの土日だけは開始時間が早いのだ。
半月程先に少し大きめの大会が控えているので、少年たちは熱心に黙々と泳いでいる。
競泳は孤独な戦いだ。
あぶくの中の世界で、自分自身と闘う。
昨日の自分より、今日の自分より明日、もっと速く泳げるように。
僚にもかつてそういう世界に居た覚えはあるけれど、今はもう遠い過去の話しだ。




選手たちが黙々と泳ぐレーンから、随分離れた端っこの2レーンに僚が目を遣る。



キラキラと午後の光りを反射する水面の先、水底に赤い色の上げ底が置かれた幼児クラスだ。
黙々と水飛沫だけを上げる少年たちと相対して、黄色い声が天井の高い空間に響き渡る。
二の腕に赤い浮き輪を着けて、自分の番を体育座りで待つ幼児たち。
25mプールの中程で、腰の辺りまで水に浸かった彼女は。
ホイッスルを吹きながら、スタートの合図をしている。
その笛の合図で、楽しそうに子供たちが彼女めがけて一生懸命泳ぐ。
自分の所まで泳いで来た子らを、彼女は1人1人受け止めて褒める。
僚にも確かに、あの頃があった。
泳ぐのが楽しくて仕方なかった頃が。



数十分後。

お子様コースのちびっ子たちは、レッスンとはまた別の大騒ぎを繰り広げている。
幸いこのジムは、地域密着型の庶民的憩いの場と化しているので、
子供たちのこの大騒ぎを咎める者もいない。
プールサイドの奥、子供用のシャワールームは軽く戦場の様相を呈している。
現に、レッスンの時には、香1人で統率が執れていた幼児クラスの連中は、
一転、香1人では手に負えず、美樹が手伝ってシャワーをさせて着替えさせている。
水着を脱いで、フルチンでプールサイドに出て来るガキを追いかける香。
1人がオシッコしたいと言い出せば、ボクも、ボクもと後に続く悪魔の連鎖。
突然泣き出して、香にしがみ付いて胸に顔を埋めるガキ。
それを見て、独り奥歯を噛み締め、青筋を立てる僚。
更にその僚をコッソリ見ては、ニヤニヤと笑う中高生男子たち。

僚の片思いは。
残念ながら、僚本人と香以外の人間にはバレバレである。
















美樹+香






ねぇ、香さん?

はい、何です?美樹先輩。

今週の休館日の前の晩、飲みに行かない?





基本的にスポーツジムは、休みの日にも営業している。
普段、働いていると休日にしか通えない会員さんもいるからだ。
各インストラクターは、基本的にシフト制で勤務しており、
全員が一緒に休めるのは、月に2度ほどあるメンテナンスを兼ねた休館日の日だけだ。
その日であっても、中には研修であったり、何らかのイベントに関わったりしていて、
休みで無い者もいる。





行くっっ!!




香はニンマリ笑うと、躊躇なくコクコクと頷く。
このジムで働き始めて、香は美樹と一番仲良くなった。
元々、女性のスイミングコーチは不足しており、
シフトの関係上殆ど勤務日が被る2人は、必然的にそうなった。
そんな香に、美樹が少しだけモジモジして口籠もる。




・・・・それでね。あのぉ、ちょっと・・もう1人一緒でも・・いいかしら?

???別に、構いませんケド???どうしたんですか?

そのぉ、実は。私の彼も一緒に・・・


かれっっ!!





香は思わぬ美樹の言葉に、過剰な大声を出した後で咄嗟に自分の口を塞ぐ。
どっちにしろ、土曜日の午後の控室には香と美樹の2人しかいないので、美樹は苦笑する。
それに、美樹は同じジムのインストラクターと付き合っている事を、
秘密にしている訳でも無いので、別段、この話題で後ろめたい事も無い。
香は少しだけ、声を潜めるようにして興味津津で美樹に詰め寄る。




彼氏さんて、何してある方なんですか???

ここの、インストラクターよ。

!!!!・・・ス、スイミングの???

いいえ、彼は主にウェイトトレーニングが専門なの。

あ、じゃあ3階の・・・

えぇ、そうよ。

あ、あの。

なぁに?

彼氏さんって、カッコイイですか???


えぇ、とっても。





そう言って、ニッコリと笑う美樹に、香は大げさに溜息を吐いて『良いなぁ~~~』と呟く。
香さんだって、彼ぐらいいるでしょ?と言う美樹に、香はフルフルと首を横に振る。
香曰く。
これまで、学生の頃は水泳一筋で、恋愛などに一切興味が無かったけど。
この歳になって周りの友人を見渡してみると、皆一様に彼氏が出来ていて。
今となっては、どうやったら彼氏が出来るのか、そもそも好きな人もいない自分には。
彼氏を作るなど、それはそれは難解な課題だそうだ。







ふ~~~ん、そうなんだぁ。でも、そんなに大した事でも無いわよ?

えぇぇ~~、無理ですよぉ。難しい・・・

ふふふ、意外と身近に居るもんよ?アナタの事想ってる人って♪

そうは思えないな。




美樹の思わせぶりな発言の真意など、知る由も無い香は。
先程、幼児クラスのママたちから差し入れされたドーナツを頬張った。
今はまだ香には、色気よりも食い気の方が重要だ。












僚+香





つい先程まで、キャッキャと恋バナに花を咲かせていた美樹は、
中級者クラスのレッスンに行ってしまった。



香は控室に1人で、色画用紙と格闘していた。


幼児クラスでは、まだまだ進級テストなどは無いけれど。
頑張ったねという意味でのメッセージカードを、1人1人に渡したりする。
香はこのひと月半で、今のこの職場が大好きになっている。
コーチの先輩たちは、皆優しい。
これまで小さな子供と接する機会など香には無かったけれど、
やってみるとそれはとても楽しくて、香には性に合っていると思う。
物怖じせずに、水の中に飛び込む子。
乱暴で、すぐに癇癪を起す子。
いつもふざけてばかりで、お調子者の子。
水を怖がって、なかなか泳ぐ事が出来ない子。
それでも。
幼稚園や保育園とは違う、ココの友達と楽し気に遊んでいる。
香にも、同じ記憶がある。
だから、どんな子であっても彼らの気持ちが少し解る気がする。





迷子を回収して来たぞぉ~~~



そう言って、面白い先輩が香のクセ毛の上に、黄色いソフビのアヒルのおもちゃを乗せる。
ついでに柔らかなその黄色い胴体を押すと、ピーピーと音がする。
どうやら、育成コースの練習が終わったらしい。
彼は、黄色いあひるを持った反対の手に、競泳用のビキニを握っている。



あ、1個残ってました?



香が屈託なく笑うので、僚は柄にも無くドキドキする。
しかし、そんな事はおくびにも出さず、香の頬を柔らかく摘む。
まるで。
フランクで、兄貴のような先輩を装って。







なかなか、泳げない子もいるから。
プールは怖くないんだよって思って貰う為に、どうかなって。





そう言って香が、頭の上のアヒルを手に取って呟く。





私あの位の頃、水の中に入るのが楽しくて仕方なかったから。




そう言って笑う香が。
もしかすると、人生で最初で最後の本気の恋の相手かもしれないと。
僚はマジで思っていた。



(つづく)

④ 飲み会

どうしてこんな事になったのだろうと言うのが、その晩の全員一致の見解だった。
・・・唯一人、槇村香を除いては。


伊集院は、黙々とグラスを空にし。
美樹は香と伊集院に、楽し気に話しを振る。
香の隣で、ミック・エンジェルが何かと香のご機嫌をうかがい、
僚は香の向かいでそれを見ながら、鬱々と焼酎を呷り、
その隣で、麗香が甲斐甲斐しく気を回す。
伊集院と美樹は、2人の世界に入りつつもそんな複雑な恋愛模様に苦笑し、

槇村香だけが、美味しそうに居酒屋メニューをモリモリと食べ、しこたまビールを飲んだ。















僚+美樹



『香さん、今日のお店、すぐそこの居酒屋さんでもイイかしら?
              フリーペーパーのクーポンがあるのよ。』

『あ、全然構いません。私、居酒屋メニュー大好き!!』



休館日を翌日に控えた、火曜日の昼休み。
いつもデスクに並んで弁当を食べている、香と美樹がそう言った。
僚はもう一歩早ければ控室のドアの外に出る所だったが、
辛うじてそんな2人の会話を、キャッチした。



3時間後。


香は幼児クラスのレッスンの為、プールの中だ。
僚は18:00開始の育成クラスまで、これといってする事は無い。
1時間に一度ほど、プールの隅で検査キットの細長い筒の中に水を取り、水質をチェックして。
時折、異変が無いよう、控室の嵌め殺しの窓からプールの方へと視線を移す。
そして概ね、時間を持て余していた。
少し離れたデスクでは、中級者クラスのレッスンを終えた美樹が、
香と入れ替わるように控室に戻って来て、何やら書類と格闘している。







ねぇねぇ、美樹ちゃぁん♪


どうされましたか?冴羽先生。






馴れ馴れしい僚の口調とは相反して、美樹は実に淡々と答える。
この目の前の男は、いつだってこの調子なのだ。






あのさぁ、今日美樹ちゃんとカオリン、2人でお出掛けすんの???


・・・えぇ、まあ。・・・・・ファルコンも一緒ですケド?


えぇ~~~、じゃあカオリンのお相手がいないじゃん!!


お、お相手って。ただ、3人で飲むだけですから。


あのさぁ、僕ってば。お休みの前夜にも関わらず、今週はたまたま空いてるんだけどなぁ。


一緒に行きたいという事ですか?


流石、美樹ちゃん。物分りがいい!


・・・私は、構いませんケド・・・香さんとファルコンが良いと言うなら。







僚は、うわぁ、まじっっ?サンキュ。と言いながら、至極喜んでいる。
そんな先輩インストラクターを、美樹は含み笑いでチラリと見遣る。





冴羽先生?


ん?何ぃ?


冴羽先生って、香さんの事好きなんでしょ?





そう言われた瞬間、僚は口に含んでいた生温いヴォルビックを、ブフッと吹き出す。
慌てて、傍らに置かれたタオルで、胸元と口元を拭う。





ななななあに、いいい言ってんの???美樹ちゅわんっっ


もう、誤魔化さなくてイイじゃないですか?バレバレですよ?




そう言ってクスリと笑うと、美樹は控室を出て行った。















伊集院+ミック



・・・そういうワケなの、イイ?ファルコン。


あぁ、俺は別に構わんが、彼女はイイのか?


えぇ、香さんの方は全然構わないって。大勢の方が楽しいしって。


そうか。


えぇ。




3階のウェイトトレーニングコーナーにやって来た美樹は恋人に、
先程のスイミングコーチ控室での、僚との遣り取りを説明する。
香には、ちょうどプールサイドを横切るときに、すぐ横を通り過ぎたので、確認したらOKだった。
数分後。






なぁ、ファルコン?



そう言って声を掛けて来たのは、この職場の中でも群を抜いた遊び人、ミック・エンジェルだった。
午後から夕方にかけて、最も退屈な時間帯だった。
夕方も、日も暮れて暗くなった頃には、会社帰りのサラリーマンやOLでごった返す。
先程の伊集院と美樹との遣り取りにミックは、まるで肉食獣のように耳を欹てていた。






ん?なんだ?


今夜、何処か行くの?


???あ?それが何か?


カオリも、リョウも一緒にかっっ


・・・あ、ああ。








そんな滅多に無い機会に、うかうかしてはいられない。
今回、僚にだけは負けるわけにはいかないのだ。






ぼ、ボクも、参加したいんだけど・・・


はぁ???


そそその、飲み会。





伊集院の顔を見ただけで、皆、いつの間にか無意識に委縮してしまう。
ミックはダメ元で、賭けに出る。







あ?良いんじゃねぇか?1人増えるのも、2人増えるのも一緒だ。






この時ミックは、満面の笑みを浮かべて今夜の飲み会を妄想した。















ミック+麗香






ミック先生っっ!





ミックが男性トイレで用を済ませ、扉を開けたところで待っていたのは。
ヨガのインストラクターである野上麗香だった。
彼女は、何故だか僚にゾッコンで、
事あるごとに僚に近付いて誘惑するモノの、僚は中々落ちないのだった。




どうしたの?レイカ?


あ、あのぉ。


さっき、ちょっと立ち聞きしちゃったんですケド・・・今夜、私も参加させて戴けませんか?


え?何?急に・・・







しかし、直後。
ミックの頭脳が緻密な計算をはじき出す。
メンバーは伊集院と美樹、ココに香と僚と自分。
真っ向から、僚と対峙して獲物(かおり)を仕留めるよりも、ここはひとつ。
麗香に役立つ事をして貰おう。



飲み会の間中、麗香がいて邪魔に入れば僚は香1人には集中出来ない。
その隙に、ミックは香と親睦を深める。


(我ながら、ナイスアイデアぐふふ)



ミックは、涼しげな表情の下のスケベ面を見事にカムフラージュして、ニッコリと微笑む。




「あぁ、解ったよ。ボクの方から、ファルコンには言っとくから。」














こうして、当初は伊集院と美樹と香のささやかな夕食の筈が、
何故だか、飲み会へと変化した。
まるで、伝言ゲームのように。





伊集院は、黙々とグラスを空にし。
美樹は香と伊集院に、楽し気に話しを振る。
香の隣で、ミック・エンジェルが何かと香のご機嫌をうかがい、
僚は香の向かいでそれを見ながら、鬱々と焼酎を呷り、
その隣で、麗香が甲斐甲斐しく気を回す。
伊集院と美樹は、2人の世界に入りつつもそんな複雑な恋愛模様に苦笑し、


香は無邪気に天真爛漫に、よく食べてよく飲んだ。
香曰く、泳いだ後はお腹が減るからとの事。


そんな香には、まだまだ色気より食い気の方が最優先事項だった。



(つづく)







⑤ ラーメン

(僚+ミック+香)×大盛り3杯








その店は、香の勤め先の目と鼻の先だった。



香は大抵いつも、お弁当を持参して控室で昼食を済ませている。
けれど、ココに勤めるようになって、香は密かに狙っていたのだ。
いつかはあの暖簾をくぐる事を。









昼時、僚とミックは小汚い行きつけのラーメン屋のカウンターに並び、丼に向かっていた。



狭くて小汚い店内。
カウンターには、せいぜい10人も座れれば恩の字で。
昼飯時だと言うのに、カウンターには僚とミックの2人だけだ。
2人はココの常連で、週に3~4日はココに来る。
それぞれ1人で訪れる事もあれば、2人一緒に来る事もある、また店内で鉢合わせる事もある。
残念ながら、同じ職場の連中で他にこの店にやって来る者はいない。
彼らの殆どは、職業柄、非常に健康志向だ。
弁当持参、もしくは食事に何らかの制限を設けている。
だからここのこってりとした味噌ベースの濃厚なスープに、
麺が隠れる程のもやし炒めの乗った、ヘヴィなラーメンを何の躊躇いも無く食べるのは、
僚とミックぐらいのモンである。
店の親父は、先程2人に大盛りを2杯作った後は暇を持て余しており、
両耳にイヤホンをねじ込んで目を閉じて腕を組んで、
カウンターの内側に置かれた椅子に座っている。ラジオを聴いているらしい。








「でも、確かにレイカもキュートだけど、一番はカオリだな。」



ミックが屈託の無い無邪気な笑顔で言って、スープを啜る。
僚はそんなミックに、心底イヤなモノでも見るような視線を寄越す。
そんな2人は、制服の白いポロシャツに、紺色のジャージ姿だ。
ミックは午後から、エアロビのクラスと、
個人トレーナーを務めている会員のレッスンが3つ入っている。
その内の2人とは、何を隠そう(隠すつもりも無いが)裸同士の“レッスン”もした事がある。
僚は午後に、上級者クラスのレッスン一コマと、夕方からはいつも通り少年たちのクラスがある。
勿論、ジャージの下はいつもの如く、ノーパンである。
ジムまでの行き帰り、事故にでも遭ってノーパン姿で死にたくないと、
仕事終わりにはパンツを穿く僚は、
ラーメン屋とジムの間、数百mで事故に遭う事は想定していないらしい。





「けっっ、テメェにゃ“sweet honey”達がわんさかいるじゃねぇか。そいつらとやってろ。」




正直僚は、ミックが香を狙っているらしい事が気に食わない。
胸糞悪い。
ミックは超が付く程の、スケコマシだ。
もっとも、2~3ヶ月ほど前までの僚なら、それをとやかく言う筋合いは無かったかもしれない。
僚は客観的に見て、非常に魅力的な男である。
バランスの取れたボディは、服を着たら着痩せするらしく、
一転、僚がその肌を見せると、女達は皆一様に恍惚とする。
鍛え上げられた体に乗った、端正なマスクは人当りのイイ好青年から、
意地悪でエロティックな笑みを浮かべる色男まで、ありとあらゆる仮面を持っている。
ただ1つミックと違っていた事は、面倒な修羅場が最も嫌いだという事。
だから僚は、面倒な女は嫌いだ。
今までの僚は、誰かに執着すると言う感情は殆ど無かった。
同じスケコマシでも、ミックはフェミニストだから、
もしかするとより酷いのは僚の方だったかもしれない。

でも。
僚はココ数週間で、劇的に変わった。
そんな風に、恋をした少年みたいな顔もするんだなと、ミックは内心思うけれど口にはしない。







フッッ、リョウは何も解ってないな。


・・・どういう意味だよ?


男という生き物はさぁ、リョウ。追われるよりも、追う方が好きな生き物なんだよ。
てか、オマエにはレイカがいるじゃないか、可愛いだろ?彼女。


・・・・・・・。






ミックはそう言って、嫌味なほど美しいウィンクを僚へ寄越す。
僚は如何にも、馬鹿馬鹿しいとでも言いたげにフンッッと鼻を鳴らすも、
その表情は無意識の内に、不機嫌な仏頂面である。
ミックはそれを見て、更に笑みを深くする。





なんだ、リョウもカオリ狙いか???へぇ~~~ほぉ~~~(にまにま)




何故だか今日はやたらと絡んでくる目の前の金髪馬鹿に、僚のコメカミで何かがプチンと切れる。






ちっっ、俺ぁな飲み会の席でいきなり、
唐揚げにレモン汁ぶっかけるような女は嫌いなんだよっっ
ありゃあ、気が利くとは言わねんだよっっ、無神経っつ~のっっ
大体、ああいう場で妙に甲斐甲斐しい女アピールする奴に限って、
汚部屋に住んでたりするってのが、デフォルトなんだよっっ



僚は一気に捲し立てると、肩で息をしながら味噌味の濃厚スープを一口啜る。





ま、それは一理あるわな。この世の真理だ。その点、カオリは申し分無かったな・・・・




そう言ってミックは、2日前の飲み会での事をぼんやりと思い返す。
その晩、このラーメン屋から、更に数百m先にある居酒屋で。
飲み会という名の戦場の火蓋が、切って落とされた。



それを注文したのは、香だった。
大皿に盛られた、若鶏の唐揚げ。
無愛想なアルバイトの店員が、彼らの席へとそれを運んで来た時。
香は小さく感嘆の溜息を漏らした。
その密やかな息遣いで、それが香の大好物である事をミックは覚った。
コッソリと心の奥に留めて置く事を、勿論忘れない。
事件はその時、勃発した。
香の感嘆の溜息のあと、香の箸先がそのアツアツの若鶏の唐揚げに伸びる一瞬前に。
麗香の手が、大皿の隅に盛られた櫛形に切られたレモンへと伸びたのだ。
間一髪とは、まさにあの事である。






あっっ!!


えぇっっ、ダメ???




香が咄嗟に上げた素っ頓狂な声に、麗香がびくっとなってその柑橘を絞る前に手を止めた。
香は至極真剣な表情で、無言の内にコクコクと頷く。






あの、あたしっっ唐揚げには、何もかけない方が好きなんですっっ!!





そう言いながら、香は別の取皿に5~6個の唐揚げを隔離する。
麗香は少しだけ不服そうな視線を香に向ける。
麗香の気性の荒さを、香はまだ知らない。
あんな風に僚にしおらしく媚を売っている姿はまやかしで、
同僚の女性達の前ではまた違ったキャラだという事を、美樹は知っている。
美樹が冷汗をかきながら、その場を取り繕うべく苦笑交じりにとりなす。




じゃ、じゃあもう、各自取り皿に取ってから、好きなモノかけるってのでどう?



伊集院が大きく頷く。
ミックは一瞬、麗香の知られざる側面を見た気がして、
見なかった事にしようと自分に言い聞かす。
香はもう既に、レモン汁騒動などどこ吹く風で、唐揚げを頬張ってビールを飲んでいる。
僚は美樹の提案に、俯きがちな伏せ目で小さく『・・・賛成。』と、呟く。
僚の隣の席に陣取っている麗香は、ハッキリとその僚の言葉を聞いて、シュンと項垂れる。
他のメンツには聞こえるか聞こえないか程度の呟きは、麗香にはハッキリと聞こえた。
否、むしろ。
僚は麗香に聞かせる為に、呟いたのだ。


しかし、それもホンの一瞬の事で。
その後も、麗香の猛アピールの手は緩まなかった。
僚は内心辟易とし、しかし一応は嫌でも職場で顔を合わせるので無下にも出来ず。
その間、香の隣を陣取ったミックは、そんな僚の目の前で絶妙に香のご機嫌を窺っている。
イイ感じに聞き上手に徹し、絶妙な相槌を返し。
しかし、いざ自分が話しをする番になると、軽妙なトークで香を笑わせた。






2日前のあの“飲み会”を思い出しただけで、僚はムカついた。
大体、あれは伊集院と美樹と、香と僚のダブルデートの筈だったのに。
そこに、ミックと麗香というお邪魔虫が乱入して来た事によって、予定が大幅に狂ったのだ。
僚は太めの縮れ麺を、思いっきり啜る。
スープと麺が絶妙に絡んでいる。
この店は、この辺りでは一番旨いと思うのだけど、一向に繁盛している気配は無い。
もっとも、そこも含めなかなか居心地の良い店ではあるのだけれど。












香は、その色の褪せた暖簾を前にして、心臓が煩いほどに高鳴っている事に気が付いた。

ラーメンは、香の好物だ。
美味しい店は、その店構えで判る。
ココは、絶対美味しい。
香の本能がそう言っている。
いつもなら、一緒に控室で弁当を食べる美樹は、今日は休みだ。
そして。
数日前から、香は決めていたのだ。
今日こそ、この店に入ってみると。











へいらっしゃいっっ



それまで、ラジオに集中していた親父の声で、
僚とミックはついつられて店の入り口に視線を寄越す。
威勢のイイ、オジサンの声に迎えられ暖簾をくぐった香の目の前には。




3人揃いの、白いポロシャツと紺色のジャージ。




「「「あっっ」」」


3人同時に、綺麗にハモッた。
僚とミックは、心底驚いた。
自分たち以外にココに来る職場の仲間、第1号が。
まさか香とは。想定外も甚だしい。
そんな2人の心情など、香は知る由も無い。
ニッコリと、無邪気に微笑む。






あれぇ、冴羽センセーも、ミックセンセーも来てたんだぁ(笑)


あ?俺らココの常連だから。


ハァーイ、カオリっっココにおいで、ボクの隣♪





ミックが、僚とは反対側の自分の隣のスツールを指し示す。
僚はそんなミックを見て、小さく咳払いをすると。
今までミックと隣り合って座っていた席を、1つ離れて。
ミックと己の間に、1つ席を空ける。
香が不思議そうに、そんな僚に首を傾げると。
僚は無言で、丸い赤いスツールの座面をポンポンと叩く。
香は次の瞬間、ニッコリと笑って2人の間に腰掛ける。


座面には、ほんのりと僚の体温が残っている。

そして、またしても。
香の台詞に、2人は驚愕した。







オジサン、大盛り1杯。


っっ!!!(僚&ミック)


いやいやいや、多いよカオリン(汗)







男達は、思い留まるよう声を掛けたが、
店主の親父はまるで無関心に、ラーメンを作り始める。
香はニコッと、反則レベルの笑みを2人に見せる。






う~~~ん、泳ぐとお腹減りません???・・あ、オジサン餃子も1皿。


へい、毎度っっ。






それから、15分後。
香は2人の心配をよそに、大盛りの味噌ラーメン(何と汁まで)と、
餃子(1皿8個入り)を綺麗に平らげた。
そして、3人は。
午後のクラスへと戻るべく、香を真ん中に挟んで仲良くジムへと帰った。


この後、香もこの店に時々通うようになった。



(つづく)




⑥ 冴羽先生

香+山際さん+是枝さん








香は、“LongSlowDistance”を心掛ける。


長い距離をごくゆっくりと時間をかけて泳ぐ。
息が上がらない程度に、けれど適度に心拍が上がる程度の負荷を掛けて。
それは一定のリズムに見えて、少しづつ計算された泳ぎ。
ずっと同じリズムだと、身体は慣れて来て負荷を感じなくなる。
だから心拍に合わせて、泳ぐスピードを微妙に変える。
それはメンタル、フィジカル両面で自分を知り尽くし、
コントロール出来なければ、なかなか出来ない泳ぎだ。


















「あれ?カオリン。今日はもう、終わったんじゃないの?」



育成クラスのレッスン中、
選手たちにアドバイスをしながらプールサイドに立っている僚が、香に訊ねた。
香のシフトでは確か、今日の幼児クラスの授業が終われば終了の筈だった。
けれど、夕方のプールサイドに現れた香は。
プールキャップに、ゴーグルと、黒い無地の水着を身に着けている。
泳ぐ気満々だ。



「えへへ、たまにはガッツリ泳ぎたくて。」



そう言うと香は、一番端のレーンで泳ぎ始めた。
ココで働き始めて、4カ月。
だいぶん慣れて来た香は、幼児クラスに加えてたまに初心者クラスも担当する事になった。
人懐こい親しみやすい性格は、中高年の会員さん達に絶大な人気を誇り、
幼児達に続いて、“かおり先生”ファンを増殖させつつある。


僚は香の泳ぎを、目で追う。
必然的に、少年たちへの指導は急速におざなりになる。
それまで、ほぼ言葉責めに近い檄を飛ばしていたコーチが、急に無言になれば。
彼らは、嫌でも気が付く。
僚のやつ、またカオリンに見惚れてやがると。









見惚れているのは、何も僚だけでは無かった。
男性会員の山際は、その時初めて香を見た。
元々彼は仕事柄、不規則な生活なので、ジムに通うのも週に1回来るか来ないかで。
その上、プールを利用するとなると、余程時間に余裕がある時だった。
だから。
先程から、優雅に水の中で躍動する彼女が、まさかインストラクターだとは思いも寄らなかった。
彼女がしなやかに水を蹴った後には、小さなあぶくが出来て。
彼女が水面を切るように掻いた後には、緩やかに波が立つ。
穏やかに揺れる水が、彼女の周りを取り囲み、
それでいて一切の水の抵抗を感じさせない程の、優雅な泳ぎ。
まるで。
美しい魚のような。








香はゆっくりと流して、2㎞ほど泳いだところで、足を着いてゴーグルを外す。
イイ感じに、身体の内側から燃焼しているのが判る。
言ってみれば、これはウォーキングやジョギングと同じ事だ。
2歳の頃に初めてプールに入った香は、まるで息をするのと同じように泳ぐ。
ゴーグルを外した辺りで、隣のレーンからの痛いほどの視線を感じる。
視線の先を見ると、見覚えの無い男性会員(山際だ)が香をじっと見詰めていた。
香はニッコリと微笑んで、会釈をする。
彼もつられるように、焦って頭を下げる。







「こんばんわ。」


「ここここここんばんわっっ」





山際は内心、非常に焦っていた。
美しい魚のように泳ぐ彼女は、とても美しかった。





ああああああのっっ


はい、何でしょう?


フォ、フォーム、すっげぇ綺麗ですねっっ・・・あ、すごく


ありがとうございます。






思わず口走った言葉を、小さく訂正する彼に、香はクスッと笑った。
たまにしか来ないジムのプールで。
山際にとっては、千載一遇の美女との出会いだった。
これっきりで終らせない為にも、何か言わないといけないと。
山際の脳内では、次の言葉を目まぐるしく探している。
そんな2人の遣り取りを、僚がプールサイドで鋭い目線を放ちながら見ている。
(ついでに言えば、3階のガラスの向こう側からは金髪碧眼の男も見ている。)
勿論、香と山際は一切、気付いて無いけれど。



そんな、解る人にしか解らない妙に緊張感の漂った空気を、
一新したのは、またしても会員さんだった。


会員№2897.是枝さんだ。
是枝さんは、夫婦でココに通う50代主婦である。
1人息子が独立し夫婦2人だけの家庭では、時間が腐るほどあるらしい。
ほぼ毎日、彼女は夫を連れ立ってやって来る。





「ちょっと、ああた。」


「へ?」・「あ、是枝さん。こんばんわ。」





突然の乱入者に、山際はたじろぐも香はニッコリと微笑んで挨拶を交わす。









こんばんわ、かおり先生。


今日は、ご主人は?


今日はね、珍しく残業なのよ。


そうなんだぁ、淋しいですね。


あはは、居ない方が気楽よ~~~。





彼女とオバハン(是枝さんというらしい。)の遣り取りを見て、山際は呆けている。
どうやら彼女は、ココのインストラクターなのかもしれないと徐々に理解する。
剣呑な視線を寄越していた僚は、ココで漸くホッとする。
是枝さんが乱入した事によって、場の雰囲気は一変したのだ。
僚がフト我に返ると。
数人の少年が、ニヤニヤと僚を見ている。
僚は心の中の焦りを誤魔化すように、咳払いをすると彼らに、

全力で1㎞

と、次の課題を課した。





少年たちは、ブーイングを唱えながらもまた、イルカのように水の中に戻る。
僚はこの時、是枝さんの登場で気を抜いていた。
大丈夫だろうと。
だからこの後、是枝さんが絶妙なアシストをしてくれた事など、知る由も無かった。









ところで、あんた。




是枝さんが、山際さんに向き直る。
山際さんは、一瞬ギョッとして水中で一歩後ずさる。






ななななんでしょう?


もしかして、かおり先生の事狙ってんじゃないでしょうね?


・・・・(ギクッッ)


無駄よ、やめときなさい。


へ???


かおり先生に手ぇ出したら。


・・・・だだだだ出したら?





そこで、是枝さんは一呼吸置くと、チラリと視線をプールサイドへと向ける。
山際さんもつられて視線を向ける。
視線の先には、冴羽僚。
そんな3人の事など、知ってか知らずか、恐ろしい剣幕で少年たちに檄を飛ばしている。
香だけが、是枝さんの言いたい事が解らずに首を傾げる。






出したら、冴羽先生に殺されるわよ。





どうやらあのプールサイドの恐ろしいまでに超絶男前のインストラクターが、
冴羽先生であるらしいと、理解する。
何だか良く解らないけれど、目の前の中年女性の勢いとプールサイドの色男の迫力に、
山際さんは気が付くと、コクコクと頷いていた。





香だけが、是枝さんの言葉の意味を1人、首を傾げたまま考え込んでいた。



生憎、槇村香(23)は、こと色恋沙汰に関して。
周りの人間が想像を絶するレベルで疎い事を、今はまだ誰も知らない。



(つづく)


⑦ 興味

香+美樹





香はこの数日、ある事をずっと考えていた。






『かおり先生に手を出したら、冴羽先生に殺されるわよ。』


某会員さんの言葉である。
この言葉を聞くに至った流れを時系列で思い返す。
香は確かあの日、仕事を終えて特に予定も無かったので、プールで泳いでいた。
するとある男性会員さんに声を掛けられたのである。
だから香も、挨拶を返した。
ただそれだけである。
その後、件の某会員さんが話しの輪に加わり、その言葉を彼に投げ掛けたのである。


そもそも。
その言葉には、突っ込み所が満載だと香は思う。


“かおり先生に手を出したら・・・”

という部分。
かおり先生というのは、勿論、香の事である。
まずは手を出すという事の意味を、香は色々と考えてみた。
この場合の“手を出す”と言うのは、香の解釈が間違いでなければ。
相手を異性として意識し、関係を構築するという事だと思う。
そこがまず第一の、ツッコミポイントである。
香は彼(山際さんというらしい)と、ただ単に挨拶を交わしていただけである。
普通、インストラクターが会員さんに声を掛けられれば、受答えするのは当然だろう。
例えあの時間、香の勤務が終了していても、会員さんには何ら関係の無い事なのだ。
だからその遣り取りに、異性がどうのとか、手を出す云々とかは、全くの見当違いで、
ただ、クロールのフォームの話しをしていたのだ。(あくまで、香の見解ではあるが。)



前半部分だけでも、もう既にへんてこだけど。
更に、難解なのが後半部分。


“・・・冴羽先生に殺されるわよ。”


香は、取敢えずこの言葉をいくつかのパートに分けて理解する事にしてみた。
冴羽先生とは、“あの”冴羽先生である。
殺されるというのは、きっとオーバーな表現で。
まぁ、別の言葉に言い換えると。
酷い目に遭うわよ。ぐらいの意味かなぁと、香は思っている。
ココで、冴羽氏が意図的に誰かを、酷い目に遭わす可能性というモノを香なりに考えてみた。
そして、考えてみた結果、香が導き出した答えは。


冴羽先生に限って、意地悪なんかする訳ないっっ


というものだ。
香の考察の論拠は、これまでの冴羽僚の行動が基準である。
僚はいつも、コンビニに寄ったついでに、香に色んなモノを買って来てくれる。
チロルチョコとか、うまい棒とか、ガリガリ君とかだ。
それにシフトが遅番で、閉館まで一緒の時は、プールの後片付けをするのだけれど。
そういう時、決まって僚は。
自分の方が大変な事をやってくれたりするのだ。
プールの底に敷く為の赤い上げ底を、片付けるのとか。
それに、育成コースの練習の時は怖そうに見えるケド。
少年たちは勿論、意外にも幼児クラスの子たちですら僚に懐いている。
だから、冴羽先生に限って、(会員さんは勿論)誰かに対して酷い事をする訳は無い。
というのが、香の考えだ。



そして。
香が最も理解が出来ないのが、前半部分と後半部分の言葉の関連性である。


100歩譲って、山際さんが香に対して異性を意識してモーションを掛けたとして(違うケド)
どうしてそこで急に、冴羽先生が登場するのかという事だ。


ココで、香はある可能性を考えた。
是枝さんはきっと、冴羽先生という人を誤解しているという可能性だ。
確かにあの時の冴羽先生は、育成クラスの練習中で。
大声ですごい剣幕だった。
でもあれは、いつもの事で。
少年たちも、解っている事なのだ。
冴羽先生は別に、怒っている訳では無い。
香も学生の頃、まだ競技をやっていた頃の先生たちは皆、あんな風だった。
是枝さんはきっとそういう細かい事は知らないから、誤解しているんだ、と。


香なりに、解っている事実を総動員して、答えを導き出す。
けれど香は、やっぱり何だか少しだけ腑に落ちないのだ。
(関連性に関する答えは出ていないから、当然である。)
そんなワケでこの数日気が付くと、あの言葉の意味を何度も考え込んでいる。





だから香は、この香の考察の裏付けと賛同を得たくて、
夜の控室で、美樹に訊ねたのだ。
僚は今、上級者クラスのレッスン中だ。







ねぇねぇ、みき先生。

ん?なぁに??

・・・あのね、














香のその相談というか、考え事というか、屁理屈というか、突拍子も無いアイデアを聞いて。
美樹は、軽く眩暈を覚えた。



目の前の後輩は。
何かが少し、同じ年頃の女子と違っているとは感じていたけれど。
これ程までに鈍感だとは、正直、美樹はドン引きした。
流石は、会員№2897の是枝さん(54)だ。
伊達に年齢は重ねていない。
見事に冴羽僚の片思い及び、独占慾の強さを見抜いている。
片や、香である。
香の口から聞く数日前の出来事は、どう考えても香の脳内フィルターを通したモノで、
しつこいようだが、あくまでも香の個人的見解である。
美樹は思わず、苦笑してしまう。



ああ見えて、冴羽僚という男はモテるのだ。
職場内なら、野上麗香がいい例だ。
他を牽制しながら独りで猛アピール攻勢を仕掛けているけれど、
彼女以外にもヒッソリと僚に想いを寄せているらしい女性職員を、美樹は数人知っている。
そして肝心の僚本人はこれまで、職場の女に手を出した事は無い様子だ。
これについては、美樹は伊集院から聞いた事がある。
僚曰く、毎日顔を合わす相手は面倒臭い、との事らしい。


そんな僚が一転、香が入社して以来。
香に恋をしている事は、周りの誰もが周知の事実である。
気が付いていないのは、ただ1人。
槇村香だけである。








ねぇ、香さん。

はい。

香さんってさぁ、冴羽先生のことどう思ってるの?

・・・・どうって???







香の考察を聞いた美樹がクスリと笑って問い掛けた言葉は、香の想定外のモノだった。
暫く香は、その言葉の意味を考える。








興味、無いの?冴羽先生の事。

・・・興味。

えぇ、興味。








冴羽先生は、テトリスが上手らしい。
冴羽先生は、うまい棒はサラミ味が好きらしい(香はサラダ味が好きだ)
冴羽先生は、レッスンの合間面倒なのでパンツを穿かないらしい(この間、コッソリ教えてくれた)
冴羽先生は、このジムから歩いてすぐ近くに住んでいるらしい。
冴羽先生は、マールボロを吸っている。


香が知っている冴羽先生は、こんな感じの人で。
それ以上に何かが知りたいかと問われれば、特に無い。
2人で話している内に、少しづつお互いのデータが増えてゆく。
それで充分じゃないの?と香は思う。






うぅん、特には。あ、でも冴羽先生、この前揚げ出し豆腐が食べたいって言ってました。




香の答えに、美樹は激しく脱力する。
彼の片思いは、果たして成就する見込みがあるのかどうか。
今の所それは、なかなか難しいかもしれないと感じる。














お疲れ~~~~。







美樹が香との会話に、軽い疲労感を感じていると。
渦中の張本人が、レッスンを終えて戻って来た。
片手にはいつもの如く、競泳用ビキニを握っている。
彼は予想通り、香を見付けて近付いて来る。
香の傍まで来て、彼女の癖毛をクシャクシャと撫でる。









なぁ、カオリン。今日帰りにラーメン喰いに行かねぇ?





彼らの行きつけは、すぐ傍の味噌ラーメンのお店だ。
ラーメンと聞いて、香はニンマリと微笑む。







冴羽先生の奢りですか???(わくわく)

あぁ?しゃあねぇなぁ、奢ってやるか。

わぁぁ~~い、行きます~~~。餃子もイイですかぁ?

・・・・。








ラーメンおごりと聞いて、香はもう既に先程までの考え事は、一時的に忘れている。
香の考えた理屈では、最も重要な事が1つ欠けている。



それは、冴羽僚が柄にも無く、まるで中学生のような恋をしているという事だ。




(つづく)



⑧ 休館日

僚+香



その月の掃除当番は香だったので、僚は少しだけシフトを弄った。
勿論、誰にもバレないようにコッソリだ。









彼らの勤めるジムには、月に2度ほど休館日がある。


何も無ければ概ね休日に充てられるが、スイミングコーチの中では持ち回りで、
月に一度はプール清掃をやる事になっている。
僚がこの日、シフトを改ざんしなければ。
香は別の男性コーチ(既婚・39歳)と組んで、清掃を行う事になっていた。
元々の担当の彼は、僚が代わって欲しいと申し出たら大層喜んだ。
家庭持ちなので、家族サービスをしないといけないらしい。

利害は一致した。





『え?あれ???・・・今日って、坂本先生じゃなかったですっけ?』



香は最初、不思議そうにそう僚に訊ねたけれど。
僚が素知らぬフリで、勘違いじゃね?と惚けたら、アッサリと僚の言う事を信じた。
この所香は、イイ感じに僚に手なづけられつつある。
が、しかし。
それはまだまだ、仲良しの先輩後輩の空気に過ぎず。
こんなモンでは、生温い。と、冴羽僚はますます躍起になっている。
だから、若干。
僚も気付いていなかったりする。例えば香が、
他の誰よりも僚と一緒の時の方が楽しそうに笑っている事とか、
控室にもプールにも僚の姿が見えないと、無意識に僚を探している事とかを。
確かに槇村香は、他人と比べて若干、色恋沙汰に疎い面があるのは否めない。


けれど僚もある意味では、なかなかどうして鈍いのかもしれない。
もしくは、初めての本気の恋ゆえに。
冷静な判断と客観的な視点を、欠いている状態なのかもしれない。






25m、8レーンのメインのプールと、
ウォーキング用のジャグジープール(コチラも25m)の水は抜かない、
月に1度そんな事をやっていたら多分、採算が合わない。
2人はプールサイドの端から、デッキブラシで掃除した。
そもそも。
毎月やらなくても、と僚は思う。
半年に一度(盆暮れだ)は水を入れ換えて、
専門業者に委託して徹底的に、掃除も込みのメンテナンスをしているらしい。
各種機器(ろ過装置・排水口など)の点検もまた、業者が別の休館日に行う。
僚は適当な所で、手を抜きながら香を盗み見る。



僚とは対照的に、香は懸命に床を磨いている。
紺色のジャージの裾を膝まで捲って、白いポロシャツの下には水着を着ている。
2時間ほど前。
僚が惚けて、シフトに関する香の違和感を一蹴した直後。
香はニッコリと微笑んで言った。


今日は掃除が終わったら、
静かなプールで、
貸し切りで泳ぎましょうね♪
 と。




反則だと、僚は思う。
そんな笑顔で、そんな言葉を、無防備に放つなんて。
もしも、この日。
僚がシフトを改ざんしなければ、その言葉を坂本(♂・39歳・既婚)が聞いていたかと思うと、
僚の背筋は、ゾワゾワした。
もっとも、相手が僚だから香もこんな事を言うのだという事に、僚も全く気付いていないのだが。


ジャージの裾から覗く真っ白で華奢な、けれども柔らかな筋肉の付いたふくらはぎ。
薄っすらと水着のラインの浮かぶ、ポロシャツの下の薄い背中。
汗ばんで猫毛の張り付いた嫋やかなウナジ。
波1つ立ってない鏡面のように輝く水面とは裏腹に、僚の心には下心という名の大波が打ち寄せる。
一体、休日出勤のこの真昼間に何の拷問なの?と、僚は自問自答するけれど。
この状況を作り出したのは、他でも無い自分自身であった事に思い当り苦笑する。














カオリンって、何歳の頃からやってたの?水泳。






僚がそう訊ねた時、2人は穏やかに波立つ水面にまったりと浮かんでいた。
天井の不透明なポリカーボネイト製の天窓の外はきっと、
痛いほど眩しい夏空が広がっている筈だ。
掃除を早々に終えた2人はつい先程まで、黙々と隣同士のレーンで泳いだ。
2人にとって、長距離を泳ぐことはジョギングやウォーキングと同じ事だ。
香が3㎞ほど泳ぐ間に、僚は4㎞と少し泳いだ。






初めてプールに入ったのは、2歳の時です。


幼児クラスだ。


ふふふ、そうです。あんな感じ。


・・・で?いつまで競技やってたの?


・・・・・・、大学の2年まで。







香はそう言うと、クルリと反転してまた泳ぎ始めた。
少しだけ。
僚は香のこれまでの話しを聞いてみたいと思ったのだ。
香のキックから繰り出される小さなあぶくに続いて、
僚ももうひと泳ぎしようかとコースに戻った。
僚はこれまで結構、強気で恋愛を進めていくタイプだった。
気になる事は、相手にガンガン聞いてきたし。
けれど、自分の事は訊かれても、あまり深くは話さなかった。


それが、何故だか今回は。


自分の事をもっと、知って欲しいと思っている。
香の事をもっと、色々知りたいと思っている。
けれど、強引にガンガン突撃するのには、少しだけ躊躇いがちな臆病な自分がいる。
僚はこの日、初めてその事に気が付いて少しだけ可笑しくなった。
思わず笑いが零れるレベルで、僚は香に嵌っている。
















すみません、お待たせして。






そう言って、控室に入って来た香は。
いつものポロシャツとジャージに着替えている。
勿論、僚も同じく。
この後はもう帰るだけなので、ジャージの下にはきちんとパンツを穿いている。
香のポロシャツの胸元にも、競泳水着とは明らかに違うラインが薄っすら透けている。
けれど、僚が香の胸元をガン見したのは、そのせいでは無かった。



香の首から掛けられた、ネックホルダーの入館証。
インストラクターが皆、首から提げる名札のようなモノである。
その入館証が裏向きになっていて。
そこに存在する“不穏なブツ”に、僚の目は釘付けになったのだ。
僚は脊髄反射で、そのカードサイズの入館証を摘む。






あ、それ。この前、ミック先生と写したんです♪





険しい表情(無意識の産物だ)で、脳天気なプリクラを睨む僚に。
香は満面の笑みで、説明した。
数日前、帰りの道すがらミックに声を掛けられ、晩ご飯をご馳走になり、
一緒に撮ろうと誘われて、久し振りにプリクラなんか撮りましたぁ~~~♪と。
因みにその日は確か、僚は閉館までジムにいた筈で。
香のシフトは確か、夕方までで終わった日だった。


妙に激しい照明で、白い顔が尚白く映って、バカみたいな面で笑っている金髪男に。
僚の心には沸々と、殺意が沸いて来る。
しかし、そんな僚の殺伐とした心境を一変させたのは、目の前の可愛い後輩である。







ねぇねぇ、今度、冴羽先生も一緒に撮りましょう♪ プリクラ。






勿論、僚は言われなくてもそのつもりである。
というか、この足で速攻食事に誘い、駅前のゲーセンで撮るつもりである。
そして。
香の入館証の、ミックとの2ショットプリクラの上に綺麗に重ね貼りするのが今夜の予定だ。


目には目を、歯には歯を。


これがモッコリ男達の暗黙のルールである。



(つづく)




お絵かきソフト!!

オハヨウでっす!!
ケシでございまぁっす(*´∀`*)ノシ




超久々に、お絵描きをしちゃいましたあ~~~~
そして。
なんとっっ!!初めてのお絵かきソフト仕様です。
これまで、bamboonoteと言って、
ペンタブソフトの付録のメモ帳のようなモノを使っていたんですが。
それではどうも、色の種類や、線種に限りがございまして・・・・
この度、もっと無限大にお絵かきできるソフトで描いてみたのですっっ!!
※それでも、相変わらずの脱力絵ですが※
何だか、慣れて来ると沢山面白い機能があるみたいなので、
これから少しづつ、覚えていこうと目論むワタシです ヽ(*´∀`)ノ


[ 2013/06/30 10:22 ] お絵描き練習 | TB(0) | CM(0)

新カテゴリー!!

おはこんばんちわっっケシでっす!!



この度、新しいカテゴリを作成致します。

ブログを始めて、早1年2ヶ月。

何だか混沌として参りました、当ブログですが。

お陰様で、仲良くさせて戴いております絵師様方に、

これまで、数点の御絵を頂戴しておりまして。

これを、1人でニマニマ観賞しているのもアレなので(どれなのだっっ!!)

GIFT

と致しまして、一括に纏めさせて戴く事と相成りました m(_ _)m

nase様の絵は、色んな記事の中にも差し込んでいるのでそこでも見て戴けますが、

改めて、GIFTの方にも掲載いたします!!

それから、これは見て戴く際のお約束です!!


絵師様方の御絵は、絵師様方に著作権がございます。
どんなに、素敵だなぁと思われましても、

無断転載・無断引用・お持ち帰り厳禁!!
でお願い申し上げます m(_ _)m

もしもweb上で、これらの事を確認致した場合、
即刻、使用の中止を求めた上で、当ブログへのアクセスを禁止させて戴く事と致します。
ご理解、ご協力のほど重ねてお願い申し上げます。
[ 2013/06/30 12:44 ] ごあいさつとお知らせ | TB(0) | CM(0)

※注意事項※必読※

コチラには、ワタクシの大好きな御方から戴いた作品を掲載いたします。
以下、全くの常識的注意事項ですが、改めて明記致します。



コチラにある作品は、作家様方に著作権がございます。
どんなに、素敵だなぁと思われましても、

無断転載・無断引用・お持ち帰り厳禁!!
でお願い申し上げます m(_ _)m

もしもweb上で、これらの事を確認致した場合、
即刻、使用の中止を求めた上で、当ブログへのアクセスを禁止させて戴く事と致します。
ご理解、ご協力のほど重ねてお願い申し上げます。


上記の事をお約束出来ずに、当方よりアクセス禁止等の処置をとらせて戴いた場合の、
苦情・クレーム・誹謗中傷などにつきましては、如何なる理由があれお断り致します。
[ 2013/06/30 12:56 ] GIFT | TB(0) | CM(0)

これまでに、nase様より戴いた御絵の数々です。

naseさぁ~~~ん、
いつもありがとうございまっす(*´∀`*)ノシ



nase様には、沢山の御絵を戴いておりますので、

一気に発表致しますっっ!!

これからも、まだまだ増えていく予定です(え?)←ワタクシの願望です。

それでわ、どうぞ~~~
[ 2013/06/30 12:57 ] GIFT | TB(0) | CM(0)

夜更かし様に戴いた、御絵です。

夜更かしさぁ~~ん、
いつも、ありがとうございまっす(´∀`●)ノシ



夜更かし様も、nase様同様、日頃お世話になっております
大好きな絵師様なのですっっ!!
優しい御人柄が表れた御絵と、テキストがとっても萌え萌えしちゃうのです
夜更かし様のサイトも、足繁く通っておるワタクシめですが。
実は、夜更かし様にも素敵な御絵を戴いておるのです!!

そして。
これもまた、ワタシ的勝手なる今後の予定と致しましては。
まだまだ、増える予定でございます(むふふ)←またしても、ケシの野望。
[ 2013/06/30 12:57 ] GIFT | TB(0) | CM(0)